#3 会議を増やさず小さく安全に:オフショアを2週間で検証する進め方(SIer向け)|GCode

会議を増やさず、小さく安全に:オフショアを10日で検証する進め方(中小SIer向け)|GCode

GCode-image2025/12/26

「定例が終わったと思ったら、昼に“解釈違い”の臨時MTG。気づけば“作る時間”より“説明の時間”が増えていく——。」
オフショアが怖いのは、技術そのものよりも、会議・管理・手戻りがじわじわ増えていく未来が見えるからだと思います。

だから最初からフルスケールで始める必要はありません。
このページでは、会議を増やさずに小さく安全に、そして10日(2週間稼働)で「運用適合」を判断するための進め方をまとめます。
単価ではなく、「現場が回るかどうか」を短期間で見極めるためのガイドです。

忙しい方向け:先に結論だけ

10日で見るべきは「単価」ではなく「運用適合」です。判断軸は4つだけ。

  • 管理工数:窓口/PMの負担は増えたか、減ったか
  • 手戻り:解釈ズレ・仕様の行き違いはどれくらい起きたか
  • リードタイム:着手→完了の時間は短くなったか
  • 連携品質:窓口・報告・課題管理が機能したか

この4つが改善(または悪化しない)なら「小隊で回る」可能性が高い。
もし悪化するなら、原因はたいてい「運用設計不足」か「窓口設計不足」です。だからこそ、最初に“型”を入れます。

なぜ10日で検証できるのか

10日という短い期間でも、次の“詰まり”はすぐ表に出ます。

  • 判断待ちが溜まる(窓口が複数/判断線が曖昧)
  • 仕様メモが更新されず、認識がズレる
  • QAが後回しになり、最後に爆発する
  • 口頭共有が増えて、会議が増える

規模を大きくするほど深刻化する前に、小さく始めて“崩れ方”を可視化 しておくのが最短の安全策です。

向いていないケース

次に当てはまる場合は、10日検証より別の打ち手が適切です。

  • 試す時間がないほど緊急(来週リリース必須など)
  • 初手からフルスケールが前提(並行多数・要員固定が必須)
  • 受け入れ側が完全に枯れている(窓口・レビュー時間が確保できない)

当てはまる場合でも方法がないわけではありません。
ただ、入口設計(範囲の切り方/受け入れ負担の配分)を少し変える必要があります。

10日で検証する全体像

進め方は、3つに分けるとシンプルです。

  • 案件選定:小さく、低リスクで、評価できる形にする
  • 運用設計:会議を増やさないために、情報の“型”を先に決める
  • 評価:感想ではなく、Before/Afterで判定する

案件選定

10日で試す案件は「小さい」だけでは不十分です。評価できる形で小さくします。

向く案件の条件

  • 影響範囲が限定されている(小さなモジュール/内部向け機能)
  • 仕様が決めやすい(曖昧さが少ない・判断が早い)
  • 受け入れが軽い(レビュー量が少ない、テスト観点が明確)
  • 指標が測れる(工数/手戻り/リードタイムが取れる)

例:候補になりやすいタスク

  • 既存機能の小改善(UI微修正+API軽微修正)
  • 単機能の管理画面(CRUD+簡単なバリデーション)
  • 小さなバッチ・集計(入出力が明確)

ポイントは「10日で終わる」ことより、10日で“運用の癖”が観測できることです。

会議を増やさず、小さく安全に:オフショアを10日で検証する進め方(中小SIer向け)|GCode

運用設計

会議を増やさないコツは「会議をなくす」ではなく、会議がなくても意思決定できる情報の形を先に決めることです。

最小運用セット(初週から回る最低限)

  • 小隊(squad)で開始:役割と責任が曖昧にならない最小単位
  • 窓口一本化:問い合わせ・判断の迷子を作らない
  • 1枚レポート:会議の代わりに、1ページで状況が分かる
  • 最小QAゲート:品質の底抜けを止める“最低ライン”

10日運用で必須のルール(最小)

  • 窓口は1人(または1チャンネル)に固定
  • 質問は「いつでも」ではなく、回答時間帯を決める(例:当日15:00まで)
  • 進捗共有は口頭ではなく、1枚レポートで可視化(Day5 / Day10)
  • 品質は「頑張る」ではなく、最小QAゲートで止血する(Day7)

このルールはベンダーを縛るためではありません。
SIer側の管理工数を増やさないための“護身” です。

公開サンプル

このページ内だけでも当てはめができるよう、抜粋版を公開します。

10日計画:範囲 / 役割 / 成果物 / チェックポイント / 評価軸(抜粋)

範囲

  • 対象:〇〇機能の△△(影響範囲:A画面+B APIまで)
  • 除外:決済・権限・外部連携など高リスク領域

役割

  • SIer窓口:要件確定/優先順位/受入判定(1名)
  • Offshore:実装/単体テスト/一次調査
  • QA(最小):観点レビュー/簡易回帰/ゲート判定

成果物

  • Backlog(10日分)
  • 仕様メモ(差分のみ)
  • テスト観点(最小)
  • 1枚レポート(Day5 / Day10)

チェックポイント

  • Day1:範囲確定・環境準備・Done合意
  • Day4:初回レビュー(方向性ズレの早期発見)
  • Day5:中間1枚レポート(会議不要の状況把握)
  • Day7:QAゲート(最低品質ラインの確認)
  • Day10:Before/After評価+次の一手決定

評価軸

  • 管理工数:増減(時間)
  • 手戻り:件数・原因(仕様/連携/品質)
  • リードタイム:着手→完了
  • 連携:判断待ち/質問滞留の発生率

Before/After評価(抜粋)

感想ではなく、できる範囲で“見える化”します。

  • 管理工数:PM/窓口が使った時間(10日内の合計でも可)
  • 手戻り:仕様の解釈ズレ/修正回数
  • リードタイム:1チケットの平均リードタイム
  • 連携:質問→回答の滞留、ブロッカー解消までの時間

もし数字が取りにくければ、取れる形に少しだけ運用を寄せるだけで十分です。

よくある落とし穴

  • 案件が大きい(10日で終わらない)
  • 窓口が複数(判断が割れる)
  • Doneが曖昧(完成の定義がない)

この3つを避けるだけで、10日検証の成功確率は大きく上がります。

無料で受け取れるもの

※テンプレ集ではなく、「まず30分で状況整理が進む」ための最小セットです。内容は最大2点に絞ります。

「SIer向け:10日で運用適合を判断する 最小セット(1枚ガイド)」

  • 自己診断(現状の詰まりを5分で可視化)
  • 10日計画 1枚ガイド(範囲・役割・成果物・評価軸)

この2点があるだけで、次が決まりやすくなります。

  • 「試すなら、どの案件が妥当か」
  • 「会議を増やさずに回すには、何を固定すべきか」
  • 「10日後に、何を見て継続判断するか」

提供方法(3段階)

  1. 公開:このページ内にサンプルを掲載(当てはめの入口)
  2. 無料で受け取る:「SIer向け:10日で運用適合を判断する 最小セット(1枚ガイド)」
  3. 面談:30分の情報交換(状況整理と当てはめ)

この30分では、発注や導入判断は求めません。
現状の詰まりを整理して、「試すなら何をどう切るか」だけ持ち帰れる状態にします。

向かないケース

  • いますぐ発注先を決めたい(検証よりスピード優先)
  • 受け入れの余白がゼロ(窓口・レビューが確保できない)
  • 10日で終わる範囲に分解できない(まず分割設計が必要)

必要なら、ここからで大丈夫です

最後に

オフショアは「大きく始める」ほど難しくなります。
技術の問題に見えて、実際は運用で崩れることが多いからです。

だからこそ、小隊で開始し、初週から回る最小運用で試す
10日で「うまくいく理由/崩れる理由」を見える化し、次の一手を確実にする。

現場の会議を増やさずに、判断材料だけを増やす。
そのための10日検証です。

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